2024年11月20日

英国伝統の社交の場「アフタヌーンティー」の歴史と魅力、楽しみ方 参考文献もご紹介

先日、図書館で本を探していたところ、イギリスのティータイム文化に関する本が何冊か目に留まり、借りてみました。

読み進めていくと、現代の日本でも人気を集めているアフタヌーンティーの起源や歴史、流行した経緯などについて書かれており、とても興味を引かれました。

そこで、この記事ではアフタヌーンティーの歴史や魅力について綴っていきたいと思います。

アフタヌーンティーとは、イギリス発祥の贅沢なティータイムのことです。

19世紀初頭、第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの妻アンナ・マリア・ラッセル公爵夫人がお茶を楽しむ時間を大切にし、友人を招いてティータイムを開く文化を広めたのが始まりと言われています。

 

今回はアフタヌーンティーの歴史を見つめながら、その魅力基本的なマナーをお伝えしていきます。

アフタヌーンティーの歴史を知ることで、皆様のティータイムがより味わい深いものになれば幸いです。

最終章で参考文献もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

アフタヌーンティーの歴史

提供先:pixabay:https://pixabay.com/ja/

アフタヌーンティーの誕生は、19世紀初頭のイギリス社会における興味深い文化的変遷と密接に関連しています。

19世紀のイギリスは産業革命の影響を受け、経済が発展しました。

上流階級の人々は時間と余暇を持つようになり、ランチとディナーの間に何か軽食を楽しむ習慣がありました。

しかし、この時間帯にお茶を飲む習慣はまだ一般的ではありませんでした。

アフタヌーンティーの普及には、第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの妻であるアンナ・マリア・ラッセル公爵夫人が大きな役割を果たしました。

アフタヌーンティー普及へのアンナ・マリア・ラッセル公爵夫人の貢献

1840年頃にアンナ・マリア・ラッセル公爵夫人は友人たちを招待し、午後にお茶と軽食を楽しむ会を開催しました。

当初は彼女の友人たちによるプライベートな催しでしたが、その素敵な時間を共有した友人たちが口コミで広め、次第にこのスタイルが社交界で流行するようになりました。

この新しいスタイルのティータイムは、アフタヌーンティーと呼ばれるようになったのです。

アフタヌーンティーでは、紅茶や香り高いハーブティーに加えて、サンドイッチやスコーン、ケーキなどの軽食が供されました。

また、シルバーのティーセットや華やかなティールームの雰囲気もこの文化の一部となりました。

 

アフタヌーンティーの社会的変遷と進化

アフタヌーンティーは社会的変遷とともに進化しました。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、女性の社会参加が増加し、アフタヌーンティーは女性たちのネットワークづくりや社交の場としても重要視されるようになりました。

ティータイムの文化が世界に広まる中で、アフタヌーンティーは多様なスタイルやメニューを持つようになりました。

このようにして、アンナ・マリア・ラッセル公爵夫人の貢献とイギリス社会の変遷が交差し、上流階級だけでなく19世紀後半には中産階級の人々にも広く愛されるティータイム文化へと成長していったのです。

アフタヌーンティーの魅力と多様なスタイルへの進化

その後、アフタヌーンティーは世界中で愛され、様々な国や文化においても独自のアレンジやスタイルで楽しまれるようになりました。

現代のアフタヌーンティーは、様々な要素が融合した独自の進化を遂げています。

この日本でアフタヌーンティーが普及し始めたのは1970年代と言われています。

日本では、伝統的なスタイルに加えて、カフェやレストランでのアフタヌーンティー、ティーセットのバリエーション豊かなアレンジ、季節ごとの特別メニューなど、創意工夫の凝らされた多彩な楽しみ方ができます。

また、アフタヌーンティーは写真映えすることから、インスタグラムやSNSを活用したアフタヌーンティーの新しい楽しみ方も広まっています。

アフタヌーンティーは時代とともに進化し、多様性と魅力を持つティータイムの文化として、今もなお愛され続けています。

 

アフタヌーンティーのマナーと楽しみ方

 

香り高い紅茶と美味しいセイボリー、華やかなスイーツと魅力が満載のアフタヌーンティーですが、実はいただく際の作法があります。

この章では、アフタヌーンティーを楽しむ際に知っておきたい基本的なマナーを紹介します。

基本的なアフタヌーンティーの様式をおさえながら、優雅なひと時を過ごしましょう。

アフタヌーンティーの基本的な様式とマナー

アフタヌーン・ティーでは紅茶と共に、軽食やスイーツが提供されます。

伝統的には軽食はキュウリやスモークサーモン、チーズ、ローストビーフなどを使ったサンドイッチが用いられます。

菓子はケーキが用意されることがほとんどですが、やがてスコーンを用いる習慣も広まりました。

スコーンにクロテッドクリームとジャムを添えた様式はクリームティーとも呼ばれます。

アフタヌーンティーの伝統的なテーブルセッティングは3段重ねのティースタンド。

下段にサンドイッチ、中段にケーキ、上段にスコーンなどが載せられる場合が多いでしょう。

 

飲食の順序にも作法があります。

ティーセットが運ばれてきたら、まずは紅茶を淹れて飲み始めましょう

ミルクはその後に入れます。

選ばれた紅茶の香りを楽しみながら、軽食やスイーツを頂きます。

サンドイッチは軽い具材から先に食べ、重い具材のものを後に食べます

その後、スコーンやケーキなどのスイーツはティースタンドの順に従って頂きましょう。

スコーンを横半分に割って、ジャムを先に塗って食べるのがデヴォン式、ジャムを先に塗って食べるのがコーンウォール式と呼ばれています。

アフタヌーンティーの楽しみ方

アフタヌーンティーの楽しみ方は人それぞれですが、基本的にはゆったりとした優雅な時間を過ごすことが大切です。

お茶の審美家・ゴードン・ステイブルズは、アフタヌーンティーについてこう述べています。

茶が飲まれる部屋には洗練された雰囲気が求められる。茶道具一式は十分に吟味して選んだ、手入れの行き届いたものであるべきだ。肝心の茶自体は、入手できる限りで最上のものを用意しなければならない

Tea : the drink of pleasure and of health / by W. Gordon Stables.

食だけでなく、茶器、空間、雰囲気もまたアフタヌーンティーの大切な要素なのです。

会話を楽しみながら、洗練された優雅なティータイムを過ごしましょう。

 

まとめ

アフタヌーンティーは、歴史と文化が息づく贅沢なティータイムです。

その魅力は、上質な紅茶と軽食、優雅な雰囲気、そして心地よい時間にあります。

今回の記事では、アフタヌーンティーの歴史と魅力、基本的なマナーをご紹介しました。

アフタヌーンティーの歴史を知ることで、皆様のティータイムがよりいっそう味わい深いものになれば幸いです。

ぜひ皆さんも、アフタヌーンティーの魅力を感じながら、贅沢なティータイムをお楽しみください。

参考文献

By Emily

東京都在住のライター。働きながら学ぶ大学生。 新しいことを学ぶこと、文章を書くことが好きなので、好きなことを自由に書く場所としてEMILY IN TOKYOを作りました。 ピアノと読書とうさぎが好き。 素敵な場所、美味しいもの、美しいもの、琴線に触れる言葉、素晴らしいアイデアを見つけたら皆さんにシェアします。

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