大学の英語学の授業で、先生がこんなことをおっしゃいました。
「言語化する努力を惜しまないでくださいね」
友人や家族との日常会話ではよく
「うまく言葉にできないけど~」
「言葉で伝えるのは難しいけど」
「言語化するの得意じゃないから」
という言葉を耳にします。
言語化は、私たちが日常的に行っている行為のひとつですが、語彙がないと自分のイメージを相手に的確に伝えるのが難しいです。
では、どういう場面で言語化の能力が必要とされるのか。
言語化するメリットとは何なんでしょうか。
今一度考えてみようと思い、文章に書いてみたいと思います。
言語化とは?
言語化とは、思考や感情、アイデアなどを言葉や文章によって明確に表現することです。
言語化によって、抽象的な概念や情報を相手に具体的に伝えることができるようになります。
言語化は、私たちの意思や情報を伝える手段として欠かせません。
言語化はなぜ大切なのか?言語化の効果
私は実生活で言語化の大切さを強く実感する場面が多々あります。
就活の面接で「自分の経験やスキルはもっと具体的に言葉にするべきだったな」とか、
仕事の打ち合わせで「あの時ああいう言い方をすればよかった」とか、「自分の希望がうまく上司に伝えられたらいいのに」とか、
理不尽な目に遭った時に「もっとこんな風に主張すればよかった」とか、
友達と話していて「もっとこういう言葉をかけてあげればよかった」とか、
思い出すときりがありません。
振り返ってみると、言語化することによって得られたはずのメリットや、回避できた誤解やトラブルがたくさんあったと気づくのです。
言語化の効果は以下の通りです。
①コミュニケーションの円滑化
適切な言語化は、コミュニケーションを円滑にします。
コミュニケーションコストという言葉があります。
情報伝達や意思疎通を行うために必要な時間や手間を意味する言葉です。
自分の考えや意図を端的に、論拠立てて相手に伝えることができると、コミュニケーションコストが、少なく済み、意思疎通がスムーズに行われます。
②誤解の回避
明確な言葉遣いや具体例を使うことで、誤解を避けることができます。
言語化を怠ることで言葉が足りなかったり、誤った言い回しで誤解が生じることがあります。
人間関係において誤解が生じるとコミュニケーションの効果が損なわれるため、適切な言語化は重要です。
③思考の整理
言語化することは、自分自身の思考を整理する手段でもあります。
言葉にすることで考えを整理し、混乱や曖昧さを解消することができます。
また、自分の思考を整理し紙に書きだすことは感情をリフレーミングし、心を落ち着ける効果もあります。
④他者とのアイデアの共有
良いアイデアや情報を他者と共有し共感を得たり、意見交換を行ったりすることで、そのアイデアの価値を何倍も大きくすることができる場合があります。
自分自身の考えを他者と共有するためには言語化が必要です。
⑤問題解決の支援
自分が抱えている問題を言葉で表現することで、解決策を見つけやすくなります。
また、具体的な課題や障害を言葉にし、他人に説明することで、解決に向けたステップを踏むことができます。
⑥説得力の向上
職場や学校などで、自分の意見を主張しなければならない場面が多々あると思います。
説得力のある表現や論理的な展開は、言語化によって実現します。
自分の考えや意見を具体的に論拠立てて伝えることで、他者を説得する力が高まります。
言語化の能力を高めるには
私にもっと言語能力があったら、豊富な語彙があったら、と後悔してから私が実践している言語化のレッスンを紹介します。
急に能力がぐん高くなる、ということはないですが、人と話しているときや文章を書いているとき、ブレインストーミングをしているときなど、ふとした瞬間に言葉がスムーズに湧いてくることが実感できるはずです。
積極的な読書
読書は言語化能力を高めるのに非常に有効だと実感しています。
私はさまざまなジャンルの本を読むことを意識しており、それらから、様々な表現や語彙を得ています。
自己表現の練習
日記やブログを書くこと、または自分の考えや感情を文章にする練習を行うことで、自己表現力を向上させることができます。
フィードバックを受ける
自分の言語化スキルを他者に評価してもらうことで、改善点や強みを把握し、成長のための方向性を見つけることができます。
私はライターとしての仕事において、クライアント様やディレクターさんにフィードバックをいただく機会があります。
また、ありがたいことに大学のレポートでは、先生が非常に丁寧に
「こういう書き方がルールです」
「こういう内容が盛り込まれているとなおいいでしょう」
「この問題については機会があれば考えてみてください」
などと添削してくださいます。
そこから学んだことを実践し、経験を積むことで言語化能力を高める練習をしています。
「言わなくてもわかってもらえる」なんてありえない
以上が、言語化の大切さとその効果についての私の考察です。
人と対話すればするほど、「言わなくてもわかってもらえる」なんてありえないと実感します。
むしろ、近しい間柄であればあるほど、適切に言語化して機に触れ折に触れ伝えていかなければ後で後悔する、ということもあるかもしれません。
日常生活やビジネスにおいて、適切な言語化を心掛けることでさまざまなメリットを享受できることを覚えておきましょう。